ミステリー!兵庫県立大学の銅像の謎

 

こんにちは!ハムちゃんです。

突然ですがみなさん、兵庫県立大学環境人間学部にある「謎の銅像」を見たことはありますか?

 

大学に通う学生なら一日に一回は目にすると言っても過言ではないほど。

大学のフォトスポットの一か所にもなっているとかいないとか・・・。

 

こちらが噂の銅像です。

 

この銅像、じっくり見てみると少し不気味な印象を受けませんか・・・?

 

……

 

【特徴】

・両腕、右足がない

・前傾姿勢

・土台の部分に渦巻き状の模様がちりばめられている

 

 

そう、なんだかちょっと怖いんですよね。

 

夜に一人でキャンパスを訪れた時にはちょっとびっくりしてしまうかも・・・。

なぜこのポーズなのか?いつから存在してるのか!?

 

今回はこの「謎の銅像」の正体について調べてみたいと思います!

 

 

◆観察

まずは作品情報を探るため銅像を近くで観察してみます!

 


必死で石を掴み歩く様子

 

ミステリーハンター風の色味の服が本格っぽさを演出しています。

 

炎天下の中で日傘を放り出してまで観察するも

「作者」「寄贈年」「作品情報」等何も見当たらず。

 

ここで推測①。

 

  

 

「謎」につつまれた銅像であるがゆえに作品が完成する・・・。

そんな意図を持っているのではないでしょうか。

そう推測してしまうほどに情報が見つかりません。

 

あまりにも見つからないためちょっと休憩しよ・・・・と正面にあるベンチに腰掛けた

 

その時!!!!

 

 

あったーーーー!!!!!!!!!!!

 

普通に正面に置いてありました。推測①はあっけなく終了です。

ここには

・作品名・建立日・製作者・寄贈者

 

が記されていました。謎解明のヒントを大量GETです“

情報収集!の前になぜ手足が欠けているのか・・・?また、

 

 

と推理ジェスチャーゲーム大会を開催してみることにしました。

 

撮影協力してくれていた友人も参加することに。

 


【ハムちゃんのチャレンジ】

こだわりポイント:

中腰、右太ももの角度をリアリティに再現。

飛び立つ様子を描写。

【友人Aのチャレンジ】

こだわりポイント:「まんじっぽい感じ。卍。」


 

 

 

お互いの個性が光っています。果たして正解なのでしょうか・・・

銅像で体の欠陥といえば、 ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ

が有名ですよね!

 

ミロのヴィーナスは両腕、サモトラケのニケは頭がありません。

このどちらとも「古代遺物の発掘品であり、復元された銅像」のため欠陥していますが

この兵庫県立大学の銅像ではその説はなさそうです。

 

 

 

推測②

 

 

 

作者の考える大学生像を反映させたのではないでしょうか・・・。

 

ではいよいよ銅像の謎について解明していきたいと思います!!

 

 

◆情報収集

 

作品名は「山巓飛翔(さんてんひしょう)」

 

二文字目の「巓」が読めず大苦戦でした・・・。

漢検1級を勉強中の友人に聞くも「いや無理」と切り捨てられてしまう始末

「顛末書(てんまつしょ)」や物語の「顛末(てんまつ)」等に使われているそうです。

 

山巓=山頂部の最も高いところ

飛翔=はばたいて空を飛んでいくこと

 

つまり、

 

 

という意味になるそう!

大学生活を送る私たちにとって励ましのメッセージのようにも捉えられます。

 

 

建立は 平成2年(1990)10月30日。

およそ今から29年前の作品のようです。

環境人間キャンパスがこの地に誕生したのが1926年のため、

キャンパス誕生後64年にして建てられたことがわかります。

現役大学生よりも何十年と大先輩なのですね!

 

 

寄贈は 姫路短期大学後援会の皆様。

兵庫県立姫路短期大学は1950~1999年にこの姫路環境人間キャンパスに存在していた

公立大学とのこと。食物栄養学科や幼児教育学科など現在の環境人間学部と少し似ています。通称は「ひめたん」だったそう!

 

1998年からは姫路工業大学(現在の兵庫県県立大学)が設置され学校は廃止になって

しまったそうです。

姫路短期大学創立40周年記念として寄贈されています。

大学は違えど同じキャンパスで学んだ先輩たちからのプレゼントだったんですね!

 

 

 

 

作者は 土田隆生さん。

(つちだ・たかお 1943~)

 

「眩驚」(げんきょう)

 

といったシリーズ作品が有名のようです。

アルウィン・ニコライという創造されたロシア人の演劇家がモチーフとなっています。

いつも薄暗い舞台で演じている彼が、きらめいている太陽の下に出た時に目がくらむ・・・というテーマで作られているそう。

また、この作品は 未完成 であり、彫刻に付属している大きな台に人が腰かけ、彫刻である人物を見上げることで完成する、という特殊な彫刻です。

 

◎眩驚 – ⅲ / 青葉の森公園

◎眩驚 – Ⅴ / 六甲アイランド

◎眩驚 – Ⅵ / 箱根彫刻の森

 

に設置されています!

六甲アイランドに設置されている像を見たことがある人もいるかも・・・!?

 

作品傾向より、あえて 「未完成」 として仕上げているのではないかと感じました。

推測②でも述べたようにまだまだ未熟な私たちの様子を表しているのではと考えます。

 

以上が表示情報から得られた情報でした。無事、彫刻の謎を解明です!!!

 

 

銅像が設置された歴史を知ることで最初に感じていた恐怖は和らぎました。

これで夜に環境人間キャンパスに訪れても安心ですね!